20191124_魅せる〜床屋髪型確認事件〜
今日ですね、床屋に行ったんですよ。
最近髪が伸びてきていて、2か月くらいかな、切ってなかったんですね。
髪を切った最初のころは、普通のおっさんのような短めの髪型なんですけど、2か月も経つと、「この人もしかして女性?」って見られそうな、そんな髪型になるわけですね。
私はやせ型であまり男らしくない体形なので、なおさらそう思うわけです。
そもそも私が髪を切るタイミングというのは、「ああ、髪が目に入ってきているな、これはいかん」というものでした。だから2か月も切らないわけですね。
今回は
「なんか髪の毛が耳に刺さるようになってきて嫌だな、目には入らないからまだ全然大丈夫なんだけど」
というところから始まって、
「ちょっと女々しくなってきたし、そろそろ切り頃かもな」
という流れでした。
それで床屋に行ったわけです。
サンキューカットっていう、1200円で髪を切ってくれるところですね。
昔は1000円で切ってもらえてたんですが、時代の流れで200円高くなってました。
それでも安いほうだとは思うので、変わらず通っているわけなんですけれども。
(ちなみにシャンプーは無いので、終わったら早めに風呂で洗うのがいいですよ)
話を戻しまして、席に座って順番を待っていると、5分くらいで自分の番になりました。
自分の前には2人くらいしかいなかったので、待ち時間はそんなにかからなかったんですね。
眼鏡を書けた坊主頭のやせたお兄さんが担当してくれることになりました。
スタンプカードとカット券を出して、スタンプを押してもらったらそっちは返してもらいます。
24個スタンプをもらったら、1回だけカットが無料でしてもらえるシステムなんですが、今回は23個目のスタンプになりました。残り1回でカット無料ですね。
席に座ると、私はカットしてくれるお兄さんに、いつものように希望の髪型を説明しました。
「えっと、前髪が自然の状態で眉毛より数センチ上になって、横は耳にかからないような感じですね」という感じです。
いつもであれば「それでは耳の周りは自然な感じで、刈り上げなくていいですね?」とか「髪の毛をけっこうすきますね(量を減らしますね)」という確認があって、「はい」と言って切ってもらう流れなんです。
ところが、今日はいつもと様子が違いました。
お兄さんが、私の頭頂部の髪の毛をつまんで、
「これくらい切っていいですか?」
というように言うんです。今思えば「髪をこれくらい少なくする」という意味がったかもしれませんが、その当時の私には、その髪の「こう切りますか」という説明の仕方が理解できずに、困惑してしまったんですね。
雰囲気でわかりそうなものですが、当時の私には、そのつまんだ髪の説明図というのは、認識できなかったんですね。
「えっ、そのつまんだ髪の毛のどこからどこまでを、切ろうとされているのかこの方は」という感じです。
私は理系で機械的に認識するところがありますので、それが浮き彫りになった形です。
いつも聞かれないことを聞かれて、混乱してしまった私はこのように聞きました。
「えっ、私の説明の仕方で問題がありましたか?
もしかして、今の私の頭頂部が、それを気にしないといけないくらい薄いといった感じになっているのですか?」
それで彼は、
「そういうわけではないですが、確認しないといけませんので」
といった感じで答えました。
(厳密には数回やりとりがありましたが。)
「なんかクレーマーっぽく思われたかなぁ」
と思いつつ、
「私の説明のどこに問題があったのだろう」
と考えを巡らせました。数秒のことです。
そのとき、ふと私は気づいたわけです。
「このお兄さんは、何かを気にされている。
髪を切ることを気にされている、・・・そうか、私の注文が今の髪型に対して変化が大きいから、それで確認をされていたのだ!」
私はそう思いました。察しました。
私は全然、そのつもりでお願いしていて、今までも同じ言い方ですんなり行っていた。
ただ、今日のお兄さんは、まだ経験が浅いのか、あるいは気配りをよくされる方なのか、わざわざ聞いてくれていたんですね。
結果として、「髪を少なくする」という意味だったのかなと思います。
「すみません、髪型の変化が大きくて、確認されていたんですね」
ということを伝えて、その後は無事に、イケてる感じにカットしてもらいました。
カットが終わって、私はお兄さんのほうは向かないまま不器用に「ありがとうございました」と呟いて帰りました。
(相手のほうを見てちゃんと言えるようになりたいものです)
・・・
これは、私にとっては、いろいろと気づかされた出来事になりました。
まずは、「自分がいかに自己中心的か」ってことです。
お察しの通り、私の血液型はB型でして、マイペースというか、自分本位な感じなんですね。
だって、髪を切る基準が「目に入るかどうか」なんですよ。今回は少し見た目も気にすることもありましたが、これって「他人の目なんて全く気にしない」ってことですよね。普通のB型よりも酷いんじゃないでしょうか?(知らんけど)
床屋のお兄さんが「上の髪はこれくらい切りますか」って言ってくれたときもそうです。
そもそも早めに切りに行っていれば、そういう確認をされることも無かったのでしょうけど。
私は自分の判断基準で読み取ろうとしたわけです。そして「その説明図は意味不明」と機械的にエラーを出してたんですね~。
それで、自分で勝手に妄想して、「私の頭頂部がもしかして薄いの?」みたいな方向に聞いてみたりという、トンチンカン。先走り。
数回のやりとりはあったのですが、もっとじっくり話せばわかりあえたはずじゃない!
「このここからここまでを切るってことですか?」
「いえ、量を減らしていいかどうかということです」
という感じでおさまったと思うんですよね。
「もっとじっくり、他人とやりとりをしないといけない」
そういうことも学びました。
そういった、B型男性の反省点を気づかせてくれる貴重な体験をさせていただきました。
・・・
さて、長々と書いてきた今日の日記ですが、実はこの体験は、時間にしてほんの数分にも満たない、短時間に起きた出来事なんですよね。
それを伝えるために、これだけ長い文章で、枝葉というか、前後の流れというか、そういうのを含めて書いてきたわけです。
でも、読んでみて、少しは面白かったのではないでしょうか。
少なくとも、私にとっては過去最高の面白い話になっていると思っています(当社比)。
今日の文章に比べると、これまでのわたしの文章というのは、「要するに~」というか、説明的な文章だったと思います。なんの面白みもないですよね!
そもそも、何を言っているのか見えていなかった、見せられてなかったようにも思います。
そう、今日のタイトルの「魅せる」というのは、「魅力的な文章を書く」ということです。これは、文章でなくても、会話でも使えます。
ポイントは、細かい情報も伝えて、「見せる」ように伝えるということ。
ただし「百聞は一見に如かず」と言うように、「見せる」ためには相当な文章が必要なんですよね。これを書いている今、ほんとに痛感しています。
そして、このような書き方に挑戦することになったきっかけが、以下の動画になります。
鴨頭嘉人さんという講演家の方の動画です。私は掃除をしながら聴いていました。
この三つの方法というのはまとめると以下のようになります。
①エピソードトーク
出来事を話す。普通の会話と違って、オチというか、教訓というか、そこから得た学びといったものを入れる。
②絵が浮かぶように
詳細な情報を伝える。百聞は一見に如かず。聞き手が情景に感情移入できるように。
③台詞を5割~7割
心の声、実際の声という形で入れると伝わる。
こういった動画を観た後で、床屋に行っていたんですね。
すると、ちょっといつもと違う、面白いことがあったんです。
そのやりとりの後すぐのときは、「今日はよくしゃべったなぁ」って思いました。
私は普段一人暮らしで、友達も彼女もいない、いわゆる「ぼっち」なので、プライベートで人と話す機会が皆無なんですよね。
だから、今日の普段と違うやりとりというか、普段よりも店員さんとちょっとだけ話せたというのは有難かった。
だって、ほんの数分、下手すれば1分にも満たないようなやり取りですよ。ほんと。
それに、全然たいしたことない。ごくごく些細な出来事だったと思います。
ただ、その「どーでもいい」ような話も、「気づきのあった出来事を」「情景が浮かぶほど細かく、補足して」「台詞も入れるように」書いてみた結果、自分の中では最高に魅力的な文章を書くことができました。
書くのはすごく大変でしたが、充実感がありますね。
これは、B型がどうとか、もっとじっくりやりとりするとか、そういうことは書き始める当初は無かったのですが、成り行きを細かく、要らないようなことまで書いていった結果、情景が浮かんで、それで気づかされて書くことができたんです。
何気ない日常のワンシーンが、「プレゼント」というか、得るものがあったわけですね。日記にすることで。
そんな感じで、鴨頭さんの「面白い話の3要素」を取り入れて、もっと面白いブログにしていければと思います。鴨頭さん、ありがとうございます。
ただ、ものすんごく文章が長くなるので、今日みたいな休日じゃないと厳しいかもしれませんが・・・。
今日の内容は以上です。読んでいただきありがとうございました。